【個人店の寿司屋が繁盛するには?】ネタの料金を安くするだけでは稼げない

日本人のお寿司好きの度合いは高まっているにも関わらず、個人のお寿司屋さんが苦しい状況です。
筆者もお寿司は好きですがどうしても回転すしに行ってしまいがちです。100円均一から若干高価なチェーンまで存在しているので予算に応じて選べるのが魅力です。
しかし、個人店が寿司のネタを安くしたからといって稼げるようになるわけではありません。
では、個人店の寿司屋にはチェーン店などと違って何をすれば魅力になるのか?
寿司屋で独立することを念頭においている場合は、絶対に知っておかなければならない6つの点をご紹介します。
【1】チェーン店とは勝負してはいけない
回転寿司に代表されるチェーン店の最大の売りは、その値段の安さです。
2貫で100円が基本になっているのですが、これに対抗して個人の寿司屋が安売りをするのはお勧めできません。相手は時給の安いアルバイトを大量に雇っていますから人件費を抑える事が出来ますし、チェーン店全体で魚を購入する事によって安く仕入れているのです。シャリはシャリマシーンを使い、高校生のアルバイトだろうと主婦だろうと素人でも均一の量のシャリを手間なく提供することが可能となっています。
価格競争では個人店の寿司屋はどうしても勝てないのです。
【2】ロボットがシャリを握るには勝てない
仮にやってみても、お客さんの回転率が違いますから勝負になりません。ロボットがシャリを握り、その上にアルバイトがネタを置いているだけです。このスピードを職人の手で再現する事は不可能に近い事です。
そこでとるべき戦略は、決して安売りをしないという事です。高級化まではしなくていいのですが、同じ土俵で戦わないように意識することは絶対に条件だと思ってください。騒がしくない店内で、ゆったりと本物の寿司を食べてもらうということです。
多少値段は高いけれど、美味しい寿司を食べたいと考えている人は大勢います。
そのためには、雰囲気作りも重要視してください。安い寿司屋では流れている曲はJPOPで、病院のように白い店内。硬い椅子。子供連れや学生ばかりでうるさい。こんな状態で落ち着いて寿司に集中することはできますか?
できませんよね。
・・・そういうことです。
【3】チェーン寿司屋の良い所は取り入れる事
ただし、チェーン店の良い所は取り入れておくべきでもあります。休日ともなると駐車場は満席になっています。その魅力はどこにあるのかを把握しておいて損はありません。
見てみると、これが寿司と言えるのかと思う様な物が提供されています。ラーメンやケーキ、メロンにカレーなどなど、寿司屋じゃないじゃないか!と叫びたくなるような品々です。しかし、これが子供の興味を惹き、親を行動させる動機となっています。
このやり方の真似をする必要はありませんが、誰の興味を惹きたいのか?店の経営を考える上で大いに参考になるはずです。
個人の寿司屋の出来る事、出来ない事をよく理解して、それに応じた店づくりをしてください。
【4】地元密着のファン化が重要
そんな中での個人のお寿司屋さんの差別化。これは、地域に根差したサービスの提供とファン化です。とにかく回転すしのチェーン店に行くことと同じようにラインナップにはあなたんのお店「個人のお寿司屋さん」を選択肢に入れてもうことを意識してください。
具体的なサービスとして私が考えるものをいくつか挙げてみます。まずはファミリーデーを設けるというものです。
【5】土曜日は小学生の子供はネタが半額
毎週土曜日は小学生の子供はすべてのネタを半額にする。これだけでもお寿司好きの家族が集まります。または子供会員をつくって、誕生日月には宅配サービスを特別に設けてケーキ代わりに半額でお寿司の握り合わせをプレゼントする。
例えば、この2つのような戦略があります。近隣のファミリー層を囲い込むためにはチェーン店にはできないこと、チェーン店にあいきたくないファミリーもいることを考え、ニーズを探ってください。
【6】団塊世代への請求「70%の価格で食べ放題を提供」
次にもっともお金を持っている団塊世代への訴求です。団塊世代をリピーターとできなければ、個人店の寿司屋として5年、10年と長く経営していくことは不可能ともいっていいでしょう。それほどに寿司屋では重要なポジションを占めるのがお年寄りなのです。
特に味にこだわるべき個人店寿司屋の場合、「回転寿司では全く味に満足できないんだよ!」という層をねらった寿司屋としてのサービスを提供します。この戦略はご自分で考えていただく必要のある部分ですが、イメージとして一例を出しておきます。
・寿司を半額とはいかなくとも、通常値段の70パーセントの価格(500円ならば、350円など。)で午後3時〜午後5時までの2時間限定で提供する。
・ランチの時間帯(11時30分から2時まで)は普段販売している寿司から手頃なネタを9つほど準備しておき、お客はその9つから4つのネタを選択。それらはドリンク付きで1000以下で食べることができる。
これだけで回転寿司の味には満足できない団塊世代があなたのお店に来る動機になります。
もちろん、これはあくまで動機です。
ランチや時間限定サービスは安さに飛びつくお客を釣るものではありません。
団塊世代としてのお客さん以下のような心理状況を考えください。
団塊世代「あのお店は高いけど、お試しとして安い時間帯のネタを食べてみるか。」
とその時間帯に現れます。
さらに・・・
団塊世代「うん。おいしいかったから高いネタもおいしいだろう!」
という発想に至っていただくわけです。
団塊世代がその寿司屋にハマってくれるだけで、下には親となっている息子や娘、さらにその下に孫がいれば大勢で一緒に来てくれる可能性を生み、これだけで集客となります。
こうして近隣のファミリー層と団塊世代を囲い込み、あなたのお店のファン化をはかることでチェーン店の回転すしと差別化をはかることができるのです。
ネタを安くするだけじゃなく、個人店ならではの機動力や雰囲気、サービス提供は考えるだけあります。ぜひ、チェーン店が強いからと諦めないで戦略を考えてみてみましょう。